※この討議メモは,聴講者のメモを総合して作成したものです.不適切な点がありましたら(牛山)までお知らせ下さい.
- Q.(新村氏へ)ハザードマップの現状は、浸水情報と避難経路が載っているものと理解してよろしいか?
- A.浸水情報、避難場所、避難経路、学習(ミニ知識)になっている.マップ作りが促進されている中で重要なのは、「マップ作りのみに注力」するのではなく、「マップ作りにあわせて住民にいかに理解していただくかに注力」すべき。
【参考】浸水情報=浸水が予想される区域の範囲および場所ごとの浸水の深さをランクごとに色分けして表示。また、「場所」を追加。
【参考】住民にいかに理解していただくか=作成時に住民からの意見聴取を行い、作成後にフォローアップを行う等の工夫。名称(外来語は避ける)および紙面サイズ(A2以下とする)、保管・利用のための工夫についても考慮が必要。
- Q.(佐藤氏へ)ハザードマップにのせるべきものは?
- A.リスク情報だけを提供してもいいのではと考える。地震ハザードマップに関して言えば、地表面ハザードは同じでも地震被害は個々の家で違ってくる。例えば震度6の地震が起こった場合の被害モード(リスク)と対応を与えなければ、避難には繋がらない。したがって,どのような情報が必要であるかの検証は必要であると思う。
- Q.(増田氏へ)昨年の地震災害後、地域防災計画改訂については、どのようになっているか
- A .今年、県が防災計画を変更したので、それに合わせて市町村も改訂したところもあるというところ.
- Q.(村山氏へ)既存のハザードマップで、地形情報を盛り込んだものは確認しているか
- A.震災予測に使う材料として、地形分類図が使われている。しかし、途中でメッシュ情報になってしまったりしている。私はメッシュよりも地形で区切った方がやはり良いと思うが,なかなか進んでいない。どれくらい揺れるのかは、地形データではわからないが,地形情報は、ハザード情報としてよりも住民と地域のためのものとして有効に利用できる可能性があると思う.地形分類図はどこにでもあるもので、これ自体がハザードマップとしての価値があるので、もっと有効に利用したらいいと思う.
- C.(今村)今回の講演では、新村先生がハザードマップの課題を、佐藤先生がそのヒント、増田先生がマップの捉え方と課題、村山先生が住民とのコミュニケーションについて紹介いただいた.ハザードマップでは、やはり写真とグラフなどの視覚的なデータを付加情報として出していただくことが重要で,そのおかげで、「講演の内容がわかったような気が」するようになる.マップは一つのツールであり、他にも大切な情報があると思う.そのあたりの研究がこれからは重要だと思う。
- C.(牛山)地図情報というのは専門家にとっては、非常に多くの情報を得ることができるツール。しかし、それに慣れていない人も多いので,地図を読んで解説できる人が重要.すでに整備されている情報を,より有効に活用していく必要があると思う.