当日の参加者数 民間企業:11,行政機関:2,大学関係:19
※この討議メモは,聴講者のメモを総合して作成したものです.不適切な点がありましたら(牛山)までお知らせ下さい.
大野 晋(東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センター)
- Q.各機関で観測網を運用しているのが現状だが、地震計のデータは共有できるのか?
- A.各機関の事情による.申し出てOKが出る時もあるが駄目な時もあり,調整の必要がある.
- Q.阪神淡路の場合,構造物の固有周期が問題で鉄筋4割,木造7割と聞いた. 今後の倒壊対策にとしてはどのようなことが考えられるか
- A.既に立っているものについて対策を取るのは難しい.
- Q.被害が計測震度と合わない場合があるようだが.最大加速度でも被害と合わないか?
- A.最大加速度だけでは被害に直接結びつかない.低速振動を考慮した方がい いという案もあるが,明確にはなっていない.
- Q.7月の地震時は90〜100カインとなっているが,PGVの予測は±1シグマでど のくらいと考えられるか?
- A.70カイン程か.
- Q.観測データは今後どのような利用が考えられるか?
- A.リアルタイム化して,推定法を考えた上での物理化が目標.面的にはまだ まだ粗いため,それを細かく推定する方法を作る.建物被害まで持っていける かは検討中.
松澤 暢(東北大学大学院理学研究科附属地震・噴火予知研究観測センター)
- Q.連鎖反応モデルにおける横すべり領域の大きさ決定のパラメータは?
- A.滑り出す摩擦係数→粘性係数のようなものと考えてもらいたい.非常にポ ジティブなところで滑る可能性.大小関係で決定するが,熱伝導方程式のよう に無限に出るため厳密にはわからない.浅いところで10km/day,深いところ で10km/month.大きい地震程広いだろう.これに伴って伝播速度も大きくなる と考えられるが,現在調べている.
- Q.アスペリティーは何回繰り返して滑っても良いのか?
- A.アスペリティーに対して滑りは10E-4程度なので10回や20回程度の滑りでは 変化しない.
- Q.震源域はアスペリティーだけ求まるか?横滑りの領域も求まるか?
- A.それは我々も知りたいところ.短周期がアスペリティー,長周期が全体に 対応していると考えられる.
- Q.次の宮城県沖地震が怖いけれど,状況はどうなっているか?
- A.1978年と1930年が違うアスペリティーかということが議論されている.去 年10月の地震は宮城と福島の県境で起こり,GPSとアスペリティーを合わせる と怪しく,この辺にM6クラスの地震が起こるのでは?と考えられる.10月は M6が3つで,横滑りが海溝側に進んだ.南側がザワザワしているので南は滑っ たと思われる.25年しか経っていない今,すぐに(5〜6年)は起こらないと思 われるが,前回の例から完璧な予想ではない.
- Q.81年の地図からもう少し予想できると思うが・・・.
- A.宮城県沖は81年が早いうちに起こって欲しい.これだとM7.5クラスになる だろうが,残るとM8クラスとなり最悪のケースとなりうる.81年が先で78年が 後から起こることが望ましい.
- Q.アスペリティーと滑り度はいつも大体一緒か?
- A.だいたい毎回同じである.
- Q.複合の場合と単独の場合ではどうか?
- A.理論上は同じ.単独より複合の方が大きい.ただ倍半以内にある.