※この討議メモは,聴講者のメモを総合して作成したものです.不適切な点がありましたら(牛山)までお知らせ下さい.
邑本俊亮(東北大学大学院情報科学研究科)
「認知心理学と防災」
- Q.情報の表現の仕方の影響について知りたい.
- A.同じことを言う場合でも,ネガティブな言い方とポジティブな言い方をすると,ポジティブな言い方の方が選択されやすい,という研究結果がある.
- Q.学習の転移について.比較すると転移しやすい,能動的に取り組むと転移しやすいとのことだった.防災力の地域比較という観点で作業を進めようとしているが,その意味で大変興味深い.
- A.事例同士の比較,反対事例を入れての比較などが効果的だという指摘がある.
- Q.認知心理学の研究成果を社会政策に取り入れて入れるといいと思うのだが,何かそういった具体例はあるか.
- A.認知心理の手法としては,なるべく種々の要因を排除して実験的に行うことが基本になっている.そのため,現実の社会現象への応用がしにくい面があるかもしれない.具体例はあまり聞いていない.
河村 廣(神戸大学自然科学研究科)
「セルオートマトンによる都市火災延焼シミュレーション」
- Q.メッシュサイズの決め方によってパラメータも変わり,結果も変わるように思うが,そういう理解でよいか.
- A.変わると思う.
- Q.隣接メッシュの影響が関係してくると思うが,メッシュサイズを小さくすればするほど,「隣接」の範囲が変わってくると思う.このあたりの問題はどう解決していくか.
- A.様々条件下での実験を行ってパラメータを決めていくことになるだろう.
- Q.セルオートマトンの適用分野としてはA.都市の形成に関してもそうだが,流体の挙動や社会現象など,かなり様々に広がっているようだ.
- Q.風速の影響はどれくらい効くか.風のデータは変動が大きく扱いにくいので気になるが.
- A.詳しくはわからないが,延焼速度などにかなり効いて来ると思う.一定速度を与えるのでなく,変化させて与えたり,その変化のさせ方を調整するなどして,実際の値に近づけることが期待できる.
- Q.阪神の実際の延焼速度とシミュレーション結果でだいぶ傾きが違っているようだが
- A.実際の延焼の方向がシミュレーションと異なっていたようだ.原因はよくわからない.