東北大学
大学院工学研究科
附属災害制御研究センター
地域防災ゼミ2004 討議メモ 2004/6/8
当日の参加者数 民間企業:24,行政機関:7,大学関係:19
※この討議メモは,聴講者のメモを総合して作成したものです.不適切な点がありましたら(牛山)までお知らせ下さい.
片田敏孝(群馬大学工学部)
「住民の災害情報理解を踏まえたハザードマップ」
- Q:三陸沿岸などは老人が多い地域。防潮堤や無線などの避難システムに対する依存心が取れないと思うが、このシミュレーターはこういった依存心を改善する能力はあるか?
- A:情報があるから、依存心はなかなか変えられないが,シミュレーションの動きや,事後のシナリオを見せれば住民には納得してもらえる可能性はあると考えている.
- Q:警報の解像度を上げる必要性について指摘していたが,気象警報はすでに相当細分化されているが,あまり効果が出ていないように思える.細分化では解決しないと思うが,いかがか.
- A:ただ警報の解像度を上げてもだめだろう.その情報の限界を理解した上で,自分の身を守るために自分で考える人を増やしていかねばならない.
- Q:シミュレーションのメッシュサイズはどのくらい?
- A:津波の伝播と遡上に関しては50mメッシュ,人や車の移動に関してはラインのデータを使っている.
牛山素行(東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センター)
「2002〜2003年の災害と防災情報」
- Q:各種のリアルタイム雨量情報のページを常時利用している人はどのくらいいるのか?
- A:明確な調査結果はないのでわからない.
- Q:土砂災害に関するリアルタイム情報では,スネーク曲線等のグラフを使ったりして表示しているが,このような情報は理解されていると思うか.
- A:あまり理解されていないようだという話を聞く.どのような情報がよいのか,調査を踏まえて検討していく必要がある.
- Q:ADSL回線についてですが、音声はダメでもADSLは大丈夫ということか?
- A:音声とADSLは家庭レベルでは同じケーブルを使っているが,電話局(交換機)レベルでは別になっている.音声通話の輻輳は,交換機レベルで生じているので,ADSLは影響を受けにくい,と説明されている.
- Q:情報収集は個人の危機意識との関わりが高いと思うが,洪水では危険を感じにくいのでは?
- A:実際,現在の日本では洪水そのもので死ぬ人はほとんどいない.しかし,東海豪雨で見られたように経済的には大きな被害を生じることがあり,そのあたりを説明していく必要がある.