東北大学 大学院工学研究科 附属災害制御研究センター
地域防災ゼミ 話題提供要旨 2004/06/08

住民の災害情報理解を踏まえたハザードマップ



片田敏孝(群馬大学工学部)


■話題の概要  正常化の偏見、認知不協和などに代表される心理学的要因を背景に、災害に関する住民情報理解、そしてそれに基づく住民の災害対応行動には多くの問題点が指摘されている。
 こうした住民の災害理解の改善を図り、災害発生時の住民の対応行動を適切に導くためには、ハザードマップなどを利用した防災教育が主たる手だてとなるが、このハザードマップもまた、その理解のされ方によっては、住民の災害イメージの固定化をまねきやすいなどの問題点をかかえている。
 ここでの話題提供は、ハザードマップや避難情報のような平時と災害時の災害情報 について、住民の理解構造を概観し、そこに生じやすい情報理解の問題点を解決するためのハザードマップのあり方を考えてみたい。