東北大学
大学院工学研究科
附属災害制御研究センター
地域防災ゼミ2004 討議メモ 2004/6/1
当日の参加者数 民間企業:17,行政機関:6,大学関係:24
※この討議メモは,聴講者のメモを総合して作成したものです.不適切な点がありましたら(牛山)までお知らせ下さい.
大貫和也(山形大・院)・阿子島功(山形大)
「洪水ハザードマップのデザインについて―150の事例より―」
- Q.デザイン面等において良い、良くないの根拠付けは
- A.現在は主観。今後,住民に複数のマップを示して意見を聞くことを考えている。
- Q.日本中で最も使いやすいと思ったのはどこか。また使いにくいと思ったのはどこか。
- A.東日本の方が力を入れて作っているように感じた。
村山良之(東北大学大学院理学研究科地学専攻)
「磐梯山火山防災マップの公表をめぐって」
- Q.ハザードマップ作成で重要なことは?
- A.ハザードマップを作るときは複数の自治体で作る体制が重要.しかし,磐梯山周辺のように,自治体(地域)によってハザードマップに対する考え方が異なっている地域では難しい面がある.
小山真人(静岡大学教育学部)
「富士山ハザードマップ最終版の特長と問題点」
- Q.ハザードマップ作成にデザイナーの参加を,との指摘があったが,webデザインを巡る情勢を見ると,デザイナーの考えるよいものと,防災情報としてよいものとの間に隔たりがあると思うが,どうか
- A.それはまさにその通りで,デザイナーに丸投げしてはだめ.それぞれの意見を交わしながらよいものを作っていくことが必要.
- Q.国が主導的に行った点をよかったこととして評価しているが,市町村はどのように参画したのか.
- A.オブザーバーとして参加していた.しかし,議論の内容などの情報が十分理解されなかった面があったようで,富士山ハザードマップが示すシミュレーション結果と異なる独自のシミュレーション結果を混在させた市町村版のハザードマップを先行して公開してしまった例があったりした.
- Q.国が主導的にハザードマップを作成するということは珍しいのか。それはなぜか?
- A.かなり珍しい.災害対策基本法の理念から,住民に対する防災対策や情報の伝達はもっとも直接的には市町村の仕事ということになっている.富士山だからこそ,このような体制が組めたと思われる.
- Q.防災教育を小中高校でやることの重要性に触れていたが,公教育の現場ではそれほど自由な内容を盛り込むことはなかなか難しいのではないか.
- A.なかなか難しい面があるが,できるところから.山梨県では県環境科学研究所が,教員対象の火山防災教育研修会を行うなどの取り組みを始めている.