東北大学 大学院工学研究科 附属災害制御研究センター
地域防災ゼミ 話題提供要旨 2004/05/25

ジャカルタにおける洪水 −2002洪水の教訓−



真野明(東北大学災害制御研究センター)


■話題の概要

話題提供のイメージ:日本とくらべると遥かに小さな降雨で、 700万人が住むインドネシアの首都のジャカルタで大規模な 浸水と被害が発生した。ここでは、降雨の特徴を述べ、どの ように被害が拡がったかを概説する。

話題提供要旨:ジャカルタ市はしばしば洪水災害に見舞われ、特に市の北東部の 三分の一は平均して年に2回浸水する。2002年の2月にジャカルタ は歴史上最悪の水害を経験した。被害は広がり、市の人口の75% が影響をうけた。2002年2月の最強日雨量は150mm程度であり、 この再現期間を計算すると2年となり、異常な降雨ではない。  大きな被害が発生した原因には次に述べるような幾つかの項目 が挙げられる。
(1)北部低平地への違法な居住
(2)水路の管理の悪さ
(3)地下水の汲み上げに伴う地盤沈下