東北大学 大学院工学研究科 附属災害制御研究センター
地域防災ゼミ 話題提供要旨 2004/05/18

地域防災について



首藤伸夫(岩手県立大学総合政策学部)


■話題の概要

地域社会の防災力を作り出すのは、住民のその土地についての知識、住民社会のあり方である。何故、今、地域の防災力が問題とされるようになったのか。一言で云えば、地域社会が都市化したからである。新住民の増加は、土地の特性を知らない移住者を増やした。住民意識が都市化し、住民自らが行うのではなく、すべてに関して行政へ依存する姿勢に変化した。洪水災害・津波災害について、ここ50年間の都市化を追いながら、何が問題か、何が今なされなくてはならないかを議論したい。都市化する前は、住民が自分で土地を選び、住み着き方を決めていた。都市化しつつある現段階での根本的対策は、土地利用規制を実効あらしめる事である。これにより、土地の危険度を何時までも記憶に残さなくてはならない。これがなされたにもかかわらず、いつのまにか無効になってしまった例、今無効になりつつある例を紹介し、今後の方策を考えたい。